Turrón de vino

赤ワインのメレンゲ

今日はチリのかわいいお菓子をご紹介します。

ふわっとしたメレンゲがほんのりピンク色になって春らしいんです。この季節、ところどころで「桜色」に出会ったり、目がいってしまいますよね。この色は赤ワインの色。お砂糖と煮詰めてメレンゲに混ぜる、ちょっとめずらしいチリの伝統菓子です。
くるみとの相性も良くて、いろいろと新鮮な驚きを発見できますよ。ぜひチリのカベルネ・ソーヴィニヨンを使って作ってみてください。

赤ワインのメレンゲ
Turrón de vino

材料(6人分)
卵白  2個分
赤ワイン  1カップ
グラニュー糖  大さじ6
くるみ   適量

作り方
1. 卵白をしっかりと泡立てる。
2. 赤ワインとグラニュー糖を鍋に入れる。グラニュー糖を溶かしながらとろりとなるまで煮詰める。
3. 熱い②を①に少しずつ加えながらさらに泡立てる。冷めるまでしっかりと泡立てる。
4. 器に移し、砕いたくるみをふる。

Estofado de Ternera

煮込み料理

暦ではもう春ですが、まだまだ寒い日が続いています。風邪やインフルエンザも流行っていて、身体あたためて免疫力も高めなきゃって思いますよね。それにつけても、この季節は煮込み料理がうれしいです。

スペイン暮らしでわたしの生活の中に根付いたものの中に煮込み料理があります。スペイン語で煮込み料理は”Estofado エストファード”、”Guisado ギサード”と言います。ギサードよりエストファードのほうがより時間をかけて「煮込む」感じでしょうか。おふくろの味の代名詞でもあります。

豆料理や肉、魚介・・いろいろな煮込みがあるなか、なんと言っても王道は肉のワイン煮込みだと思います。玉ねぎとピーマン、にんにくと肉を炒めて白ワインで煮こむのもスペインらしくて大好きですが、牛肉を赤ワインで煮こむシチューも美味しいですよね。白いごはんにも合うし。

まだ続きそうな寒い日にぐつぐつ煮込んでくださいね。

ビーフシチュー
Estofado de ternera

材料(3〜4人分)
牛肉(シチュー用、肩ロース、すね肉などの角切り) 500g
玉ねぎ                               1個
にんにく                              1片
ベビーキャロット                     8本
じゃがいも                             2個
トマトの水煮                             400g(1缶)
オリーブオイル                         大さじ2
赤ワイン(辛口フルボディ) 1/2カップ
ローリエ                          1枚
砂糖                               小さじ2
塩、黒こしょう                       各適量
小麦粉                            少々

(必要ならば)固形ブイヨン 1個 グリーンピース  適宜

作り方

  1. 牛肉は塩、こしょうをし、小麦粉をまぶす。
  2. 玉ねぎとにんにくはみじん切りにする。じゃがいもは一口大に切る。トマトの水煮はつぶしておく。
  3. 鍋(焦げやすい鍋ならフライパンで)にオリーブオイル大さじ1を温め、牛肉を焼く。全面がこんがりとなったら取り出す。残ったおこげもこそげとりとっておく(玉ねぎが焦げるのでしっかりと)。
  4. 鍋にオリーブオイル大さじ1を温め、玉ねぎを加え弱火にしてゆっくりと炒める。玉ねぎがしんなりとしてきたら、にんにくを加えさらに炒める。
  5. 玉ねぎの甘みが出てきたら、牛肉とおこげを戻し入れ赤ワインを注ぎ、半量になるくらいまで煮詰める。
  6. トマトの水煮、ローリエ、砂糖、水11/2カップ、好みでブイヨンを加えて強火にかける。煮立ったら弱火にしてアクを取り除く。ふたをして1時間ほど煮込む。
  7. ベビーキャロットとじゃがいもを加え、ふたをしてじゃがいもがやわらかくなるまで、15~20分煮込む。
  8. 必要であれば塩、こしょうで味を調節する。

Alfajores Andaluces

アンダルシアのお菓子 アルファホール

「アル」からはじまる名前の食べ物は、その昔イスラム教徒から伝わったもの。’アルファホール’も歴史が感じられるそのお菓子のひとつ。南のアンダルシア地方ではクリスマスのお菓子としても古くから愛されています。

先日記したメディナ-シドニアというアンダルシア地方カディスにある小さなかわいらしい村に古くからあるお菓子屋さんがある。今のご主人は5代目だそうで、アルファホールを代々作り続けているというではないですか。そして絶品だと!

お店の名前 は  ‘Sobrina de Las Trejas’  「ソブリーナ  デ ラス トレハス」。創業167年。3人の姉妹トレホが始めたこのお店は今も一つ一つのお菓子を丁寧に作っているそう。中央広場に面したこのお店、思いのほか、様々なケーキやお菓子が売られていて入ったとたんにワクワク気分全開。さっそくかわいらしいケーキをたのむとすぐ食べるためにとアイスクリーム用?スプーンをつけてくれたのがまたうれしいじゃないですか。

さてアルファホール。ナッツ、ドライフルーツ、小麦粉、蜂蜜に様々なスパイスを入れてこね、細長くコロコロ伸ばしたのを切っていくお菓子で、粉砂糖とシナモンパウダーに包まれてる。ここのお店のはアーモンド、干しぶどう、ごま、アニスやクローブなども入ってる。すごく美味しい。なんとコリアンダーシードも入っているらしくて、ほんのり香ってる!

ここのお店は機械に頼らない昔ながらの手作り。蜂蜜が固まりすぎないように大きな木のへらで力強く混ぜる。どうもこの混ぜ方にも美味しさのコツが伝授されているようす。そして出来上がりは柔らか過ぎず、固過ぎず。コロコロ棒状にしていく手の力加減も重要なポイントなんだろうな。そして蜜にとおし粉砂糖でお化粧されていく。。見た目は粗野だけど、そんなお菓子ほど実は深いのよね。

ここのアルファホール、カラフルな紙に包まれている。青、赤、黄色、緑。それもこの紙、細長くて斜めにくるくるって包んでいるところがめずらしい。箱もスペインでよくあるこのちょっと安っぽい素朴なのが大好きなんで感激!中が見えるようになってるところがいいよねー。好き!

どうもこの村がアルファホールの生まれ故郷のよう。その分、どこよりもたくさん食べるみたい。クリスマスだけではなく、村の人たち、近郊から来る人たちは1年をとおして楽しんでいるそう。

同じ名前のムルシアのお菓子もある。ウエハースにもっと濃厚な生地が挟まってるもの。このお菓子もなかなか興味深い。はるばる中南米や南仏にも伝わっている。中南米のものは全く形も味も違う、ミルククリームを挟んだクッキー。これがまた美味しい。そのうち作り方を!

アーモンド生地に包まれた卵黄クリーム′Yemas de Canutillo′も美味しかった。

ああ・・今、今食べたい。。。ので。。はい!作りますよ〜!そして近くみなさんにアルファホールの美味しさをお伝えしなきゃ!

Medina-Sidonia..Cadiz

 カディスの小さな村  メデイナ-シドニア

容量求めて開いたSDカードの中に3年前訪れたカディスの写真の数々を発見。
いかに整理をしていなかったか、ということなんですが・・。あの美味しかったもの、きれいだったもの。。昨日のことのようにいっきに甦ってきました。

カディス旅行の中で絶対行きたいと思っていたのが、メディナ-シドニア。
カディスから車で30分ほどの小高い丘に広がる白くて小さな村。村からは遠くカディス湾が望め、「カディスのバルコニー」と呼ばれているそうなんです。


しんと静まる白い村の中・・こんな狭いのに真ん中陣取ってるこの木がなんともかわいいの。

お店のものをつるすという活用法もあるのね。笑える。

木につるさがってた鍋敷きをゲット。そして小さなお花屋さんではカディスですっかりお世話になったカルメンにプレゼントする小さな鉢に入った蘭の花をみつけた!

歩いてるじゅう、家の玄関先を覗くのがとまらない。怪しい東洋人。。。
どこも陶器使い、タイル、ランプ、それに植木までが個性的ですてきなんだもの。

それだけで時間いくらでも費やせちゃうんだけど、ここに来た目的は違う!
実はお菓子が目的だったんです。向かうはカディスの郷土菓子”アルファホレス"がカディス一美味しいと言われているお菓子屋さん!

なんだか長くなっちゃいそうなので、お菓子の続きは日を追ってにしますね。
アンダルシアの人たち明るかった。。

Sopa de ajo

風邪知らずのにんにくのスープ  “ソパ・デ・アホ”

スペイン人の台所には必ずと言っていいほどあるのがにんにくと残ったパン。そしてどの家庭にも常備されてるパプリカパウダー。さらに残ったスープストック、卵があれば完璧。というわけで冬にささっと作れる料理として本当に重宝されてるのがソパ・デ・アホ。にんにくのスープです。その上、風邪の予防や治療にも効果があるともなると、つくづくありがたいスープなんです。

熱々をふーふーしながら、口にするとにんにくの香りがふわっと広がる。半熟の黄身はそっと割る。混ざらないように最初半分食べて最後は混ぜて食べるんです。ここが好みが分かれるところなんでしょうね。お味噌汁の卵みたいに。そしてパンのふやけ加減もすごく大切。おじやみたいにぐじゅぐじゅにならない程度に程よくスープが染み込んでないといけない。これも作る人によってすごく違ってくる。

にんにくのスープと言うと赤い色。「辛いのか・・」と思う人も多いようですが、スペインの人たちは辛いものはほとんど食べない。「トマト?」って思ってる人もいるけれど、パプリカパウダー(甘口)の色です。香りも豊かでスペイン料理には欠かせないからこの香りだけで「たまらん!」と思う人たちもたくさん。できれば香ばしいスモークタイプ、それもスペイン・ベラ産を使えばさらに良し。

実は黒こしょうをたっぷりふったり、間違って買ってしまった辛口パプリカパウダーを使ったり。スペインらしくないけど、ちょっと辛いのも悪くないんです。

これは冬がとっても寒いカスティージャ・イ・レオン地方から全国的に広がったスープと言われています。バスクだと塩抜きした干し鱈が入るのがおもしろい。カタルーニャの人に教えてもらったみじん切りにしたタイムを一緒に煮込むのも好き。香りよくさらに風邪予防の効果もさらに上がるのでうれしいんです。シェリー酒をちょっぴり落とすのもいい。ますます身体はポカポカ! そんなときは香り豊かなアモンティジャードがお薦めです。

シェリーと言えば、ずいぶん前に五反田のシェリーバル「シェリーミュージアム」でいただいた締めが “ソパ・デ・アホ”ラーメンだったことがありました。それもインスタントラーメンの乾麺。。ポップだったなぁ。パンの代わりに麺やご飯を入れても美味しいのでいろいろ試してください。

臭い?にんにくは炒めてオリーブオイルに香りを移すので少量でも充分ですし、炒めることによって後に残る臭いも軽減。このスープ、思いのほかまろやかなので、あしからず。

風邪なんかに負けぬよう残りの冬もにんにくのスープでのりきりましょう!

にんにくのスープ
sopa de ajo

材料(4人分)
にんにく    2~4片
バゲット  100g
卵     4個
パプリカパウダー(スモーク) 小さじ2
オリーブオイル 大さじ2と1/2
スープ(チキンスープなど)  6カップ
塩、黒こしょう 各少々

作り方
1. にんにくは粗みじんに切る。バゲットは1cm角に切る。

2. 鍋にオリーブオイルを温め、にんにくを炒める。

3. バゲットを入れてさらに香ばしく炒める。火を止め、パプリカパウダーをふり入れて全体を混ぜる。

4. スープを入れて沸騰したら、弱火にして塩、こしょうで味を調え、ふたをして20分ほど煮込む。

5. 卵を落とし入れ、半熟状になるまで煮込む。

Roscón de reyes

  ロスコン・デ・レジェス

1月6日は「東方三賢人の日」。
三賢人がキリストさまの誕生を祝うために、星に導かれ遠くからはるばるとラクダの背にゆられベツレムを訪れ、贈り物を捧げた日。

スペインやイタリアではその言い伝えにちなんで、こども達はラクダに乗ってやってくる三賢人からプレゼントをもらいます。それで別名「こどもの日」とも呼ばれているんです。

三賢人は新約聖書の中では占星術に精通した博士(Mago)として登場。
後に王(Reyes)だったのではという説も生まれ、スペインでは「Reyes Magos」と呼ばれています。ただ、一般的には「Magos」というのは魔術師という意味なので、「魔術師の王さま」・・・・
う~ん「魔法が使える王さま」という感じでしょうか。なんとも神秘的な・・特にこどもたちにはワクワクする響きだと思います。

そして、スペインでは「ロスコン・デ・レジェス(王さまのお菓子)」を食べる習慣があります。

小麦粉と卵にイーストを混ぜてこね、リング状に焼きあげます。
ドレンチェリーはルビーにエメラルド。王さまたちの帽子(マントという説も)に飾られた宝石たちを表しているそう。オレンジの花の蕾で作った「オレンジフラワーウォーター」香るケーキというよりはパン菓子。
そして中にはフェーブがひとつだけ入っていて、これに当たった人は今年1年幸運に恵まれると言われているんです。娘たちが小さな頃はこのフェーブが当たった、当たらないと喧嘩になったりして大騒ぎだったことがなつかしい。

この習慣は18世紀にフェリペ5世がフランスから伝承したとか。
そうです。フランスの「ガレット・デ・ロワ」。パイ生地の中にアーモンドクリームが入ったフランスでもまだ習慣が残っている同じく1月6日に食べるケーキです。

このケーキは歴史を辿ると古代ローマの時代まで遡るのですよ。
農耕の神・サトゥルヌスのお祭りの時に庶民にいちじくやデーツ、蜂蜜で作ったケーキが配られ、その中に隠されたそら豆が当たったら、奴隷でさえもお祭りの間だけ王さまの座が与えられたのだそうですよ。

よ~く考えたら、三賢人とは関係ない・・でも王さまつながりでぴったり一致してはいる。

こどもの日の前夜はところどころでお祭りパレードが行われます。こどもたちにとっては待ちに待った大イベント。マドリッドは特に大きなパレードでラクダに乗った王さまたちはもちろん、仮装した人たちや子供たちで大賑わい。華やかな行事だったな。主人が娘を肩車して投げられるキャンディを手を広げてとろうとする小さかった娘の姿が今でも目に浮かびます。学校の行事で羊飼いの仮装をしたこともあったな〜。羊飼いと言われてもどんな格好をさせて良いのか当時全くわからず、まだwebで調べるなんてないから、スペイン人に聞いたりして色々調達したっけ。今だったらすごく可愛いの作れる!新たに作って着せたいくらいだわ。いやもちろん子どもが着るからかわいいんです。いろいろなつかしいな。