アンダルシアのお菓子 アルファホール
「アル」からはじまる名前の食べ物は、その昔イスラム教徒から伝わったもの。’アルファホール’も歴史が感じられるそのお菓子のひとつ。南のアンダルシア地方ではクリスマスのお菓子としても古くから愛されています。
先日記したメディナ-シドニアというアンダルシア地方カディスにある小さなかわいらしい村に古くからあるお菓子屋さんがある。今のご主人は5代目だそうで、アルファホールを代々作り続けているというではないですか。そして絶品だと!
お店の名前 は ‘Sobrina de Las Trejas’ 「ソブリーナ デ ラス トレハス」。創業167年。3人の姉妹トレホが始めたこのお店は今も一つ一つのお菓子を丁寧に作っているそう。中央広場に面したこのお店、思いのほか、様々なケーキやお菓子が売られていて入ったとたんにワクワク気分全開。さっそくかわいらしいケーキをたのむとすぐ食べるためにとアイスクリーム用?スプーンをつけてくれたのがまたうれしいじゃないですか。
さてアルファホール。ナッツ、ドライフルーツ、小麦粉、蜂蜜に様々なスパイスを入れてこね、細長くコロコロ伸ばしたのを切っていくお菓子で、粉砂糖とシナモンパウダーに包まれてる。ここのお店のはアーモンド、干しぶどう、ごま、アニスやクローブなども入ってる。すごく美味しい。なんとコリアンダーシードも入っているらしくて、ほんのり香ってる!
ここのお店は機械に頼らない昔ながらの手作り。蜂蜜が固まりすぎないように大きな木のへらで力強く混ぜる。どうもこの混ぜ方にも美味しさのコツが伝授されているようす。そして出来上がりは柔らか過ぎず、固過ぎず。コロコロ棒状にしていく手の力加減も重要なポイントなんだろうな。そして蜜にとおし粉砂糖でお化粧されていく。。見た目は粗野だけど、そんなお菓子ほど実は深いのよね。
ここのアルファホール、カラフルな紙に包まれている。青、赤、黄色、緑。それもこの紙、細長くて斜めにくるくるって包んでいるところがめずらしい。箱もスペインでよくあるこのちょっと安っぽい素朴なのが大好きなんで感激!中が見えるようになってるところがいいよねー。好き!
どうもこの村がアルファホールの生まれ故郷のよう。その分、どこよりもたくさん食べるみたい。クリスマスだけではなく、村の人たち、近郊から来る人たちは1年をとおして楽しんでいるそう。
同じ名前のムルシアのお菓子もある。ウエハースにもっと濃厚な生地が挟まってるもの。このお菓子もなかなか興味深い。はるばる中南米や南仏にも伝わっている。中南米のものは全く形も味も違う、ミルククリームを挟んだクッキー。これがまた美味しい。そのうち作り方を!
アーモンド生地に包まれた卵黄クリーム′Yemas de Canutillo′も美味しかった。
ああ・・今、今食べたい。。。ので。。はい!作りますよ〜!そして近くみなさんにアルファホールの美味しさをお伝えしなきゃ!