Estofado de Ternera

煮込み料理

暦ではもう春ですが、まだまだ寒い日が続いています。風邪やインフルエンザも流行っていて、身体あたためて免疫力も高めなきゃって思いますよね。それにつけても、この季節は煮込み料理がうれしいです。

スペイン暮らしでわたしの生活の中に根付いたものの中に煮込み料理があります。スペイン語で煮込み料理は”Estofado エストファード”、”Guisado ギサード”と言います。ギサードよりエストファードのほうがより時間をかけて「煮込む」感じでしょうか。おふくろの味の代名詞でもあります。

豆料理や肉、魚介・・いろいろな煮込みがあるなか、なんと言っても王道は肉のワイン煮込みだと思います。玉ねぎとピーマン、にんにくと肉を炒めて白ワインで煮こむのもスペインらしくて大好きですが、牛肉を赤ワインで煮こむシチューも美味しいですよね。白いごはんにも合うし。

まだ続きそうな寒い日にぐつぐつ煮込んでくださいね。

ビーフシチュー
Estofado de ternera

材料(3〜4人分)
牛肉(シチュー用、肩ロース、すね肉などの角切り) 500g
玉ねぎ                               1個
にんにく                              1片
ベビーキャロット                     8本
じゃがいも                             2個
トマトの水煮                             400g(1缶)
オリーブオイル                         大さじ2
赤ワイン(辛口フルボディ) 1/2カップ
ローリエ                          1枚
砂糖                               小さじ2
塩、黒こしょう                       各適量
小麦粉                            少々

(必要ならば)固形ブイヨン 1個 グリーンピース  適宜

作り方

  1. 牛肉は塩、こしょうをし、小麦粉をまぶす。
  2. 玉ねぎとにんにくはみじん切りにする。じゃがいもは一口大に切る。トマトの水煮はつぶしておく。
  3. 鍋(焦げやすい鍋ならフライパンで)にオリーブオイル大さじ1を温め、牛肉を焼く。全面がこんがりとなったら取り出す。残ったおこげもこそげとりとっておく(玉ねぎが焦げるのでしっかりと)。
  4. 鍋にオリーブオイル大さじ1を温め、玉ねぎを加え弱火にしてゆっくりと炒める。玉ねぎがしんなりとしてきたら、にんにくを加えさらに炒める。
  5. 玉ねぎの甘みが出てきたら、牛肉とおこげを戻し入れ赤ワインを注ぎ、半量になるくらいまで煮詰める。
  6. トマトの水煮、ローリエ、砂糖、水11/2カップ、好みでブイヨンを加えて強火にかける。煮立ったら弱火にしてアクを取り除く。ふたをして1時間ほど煮込む。
  7. ベビーキャロットとじゃがいもを加え、ふたをしてじゃがいもがやわらかくなるまで、15~20分煮込む。
  8. 必要であれば塩、こしょうで味を調節する。

Sopa de ajo

風邪知らずのにんにくのスープ  “ソパ・デ・アホ”

スペイン人の台所には必ずと言っていいほどあるのがにんにくと残ったパン。そしてどの家庭にも常備されてるパプリカパウダー。さらに残ったスープストック、卵があれば完璧。というわけで冬にささっと作れる料理として本当に重宝されてるのがソパ・デ・アホ。にんにくのスープです。その上、風邪の予防や治療にも効果があるともなると、つくづくありがたいスープなんです。

熱々をふーふーしながら、口にするとにんにくの香りがふわっと広がる。半熟の黄身はそっと割る。混ざらないように最初半分食べて最後は混ぜて食べるんです。ここが好みが分かれるところなんでしょうね。お味噌汁の卵みたいに。そしてパンのふやけ加減もすごく大切。おじやみたいにぐじゅぐじゅにならない程度に程よくスープが染み込んでないといけない。これも作る人によってすごく違ってくる。

にんにくのスープと言うと赤い色。「辛いのか・・」と思う人も多いようですが、スペインの人たちは辛いものはほとんど食べない。「トマト?」って思ってる人もいるけれど、パプリカパウダー(甘口)の色です。香りも豊かでスペイン料理には欠かせないからこの香りだけで「たまらん!」と思う人たちもたくさん。できれば香ばしいスモークタイプ、それもスペイン・ベラ産を使えばさらに良し。

実は黒こしょうをたっぷりふったり、間違って買ってしまった辛口パプリカパウダーを使ったり。スペインらしくないけど、ちょっと辛いのも悪くないんです。

これは冬がとっても寒いカスティージャ・イ・レオン地方から全国的に広がったスープと言われています。バスクだと塩抜きした干し鱈が入るのがおもしろい。カタルーニャの人に教えてもらったみじん切りにしたタイムを一緒に煮込むのも好き。香りよくさらに風邪予防の効果もさらに上がるのでうれしいんです。シェリー酒をちょっぴり落とすのもいい。ますます身体はポカポカ! そんなときは香り豊かなアモンティジャードがお薦めです。

シェリーと言えば、ずいぶん前に五反田のシェリーバル「シェリーミュージアム」でいただいた締めが “ソパ・デ・アホ”ラーメンだったことがありました。それもインスタントラーメンの乾麺。。ポップだったなぁ。パンの代わりに麺やご飯を入れても美味しいのでいろいろ試してください。

臭い?にんにくは炒めてオリーブオイルに香りを移すので少量でも充分ですし、炒めることによって後に残る臭いも軽減。このスープ、思いのほかまろやかなので、あしからず。

風邪なんかに負けぬよう残りの冬もにんにくのスープでのりきりましょう!

にんにくのスープ
sopa de ajo

材料(4人分)
にんにく    2~4片
バゲット  100g
卵     4個
パプリカパウダー(スモーク) 小さじ2
オリーブオイル 大さじ2と1/2
スープ(チキンスープなど)  6カップ
塩、黒こしょう 各少々

作り方
1. にんにくは粗みじんに切る。バゲットは1cm角に切る。

2. 鍋にオリーブオイルを温め、にんにくを炒める。

3. バゲットを入れてさらに香ばしく炒める。火を止め、パプリカパウダーをふり入れて全体を混ぜる。

4. スープを入れて沸騰したら、弱火にして塩、こしょうで味を調え、ふたをして20分ほど煮込む。

5. 卵を落とし入れ、半熟状になるまで煮込む。

Roscón de reyes

  ロスコン・デ・レジェス

1月6日は「東方三賢人の日」。
三賢人がキリストさまの誕生を祝うために、星に導かれ遠くからはるばるとラクダの背にゆられベツレムを訪れ、贈り物を捧げた日。

スペインやイタリアではその言い伝えにちなんで、こども達はラクダに乗ってやってくる三賢人からプレゼントをもらいます。それで別名「こどもの日」とも呼ばれているんです。

三賢人は新約聖書の中では占星術に精通した博士(Mago)として登場。
後に王(Reyes)だったのではという説も生まれ、スペインでは「Reyes Magos」と呼ばれています。ただ、一般的には「Magos」というのは魔術師という意味なので、「魔術師の王さま」・・・・
う~ん「魔法が使える王さま」という感じでしょうか。なんとも神秘的な・・特にこどもたちにはワクワクする響きだと思います。

そして、スペインでは「ロスコン・デ・レジェス(王さまのお菓子)」を食べる習慣があります。

小麦粉と卵にイーストを混ぜてこね、リング状に焼きあげます。
ドレンチェリーはルビーにエメラルド。王さまたちの帽子(マントという説も)に飾られた宝石たちを表しているそう。オレンジの花の蕾で作った「オレンジフラワーウォーター」香るケーキというよりはパン菓子。
そして中にはフェーブがひとつだけ入っていて、これに当たった人は今年1年幸運に恵まれると言われているんです。娘たちが小さな頃はこのフェーブが当たった、当たらないと喧嘩になったりして大騒ぎだったことがなつかしい。

この習慣は18世紀にフェリペ5世がフランスから伝承したとか。
そうです。フランスの「ガレット・デ・ロワ」。パイ生地の中にアーモンドクリームが入ったフランスでもまだ習慣が残っている同じく1月6日に食べるケーキです。

このケーキは歴史を辿ると古代ローマの時代まで遡るのですよ。
農耕の神・サトゥルヌスのお祭りの時に庶民にいちじくやデーツ、蜂蜜で作ったケーキが配られ、その中に隠されたそら豆が当たったら、奴隷でさえもお祭りの間だけ王さまの座が与えられたのだそうですよ。

よ~く考えたら、三賢人とは関係ない・・でも王さまつながりでぴったり一致してはいる。

こどもの日の前夜はところどころでお祭りパレードが行われます。こどもたちにとっては待ちに待った大イベント。マドリッドは特に大きなパレードでラクダに乗った王さまたちはもちろん、仮装した人たちや子供たちで大賑わい。華やかな行事だったな。主人が娘を肩車して投げられるキャンディを手を広げてとろうとする小さかった娘の姿が今でも目に浮かびます。学校の行事で羊飼いの仮装をしたこともあったな〜。羊飼いと言われてもどんな格好をさせて良いのか当時全くわからず、まだwebで調べるなんてないから、スペイン人に聞いたりして色々調達したっけ。今だったらすごく可愛いの作れる!新たに作って着せたいくらいだわ。いやもちろん子どもが着るからかわいいんです。いろいろなつかしいな。